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起業・創業時、心配になるのは、お金の問題です。しかし、実は、起業・創業時に使える補助金や助成金があることをご存知ですか?補助金・助成金は原則的に返済不要ですので、前向きに活用した方がいいと言えるでしょう。
国や地方自治体が行う支援策や民間団体が提供するものなど、さまざまな種類がありますのでご紹介します。
起業・創業時に使える「補助金」と「助成金」。その違いとは?
返済不要の資金調達方法としては、大きく分けると「補助金」と、「助成金」があります。
これらは、どのような違いがあるのでしょうか?よく質問をいただきますが、結論から申し上げると、明確な定義はありません。
一般的には、補助金は経済産業省関連のものが比較的多く、事業を伸ばすための広告費や事業を再構築するための費用、IT化のための費用を補助するものが多いです。
一方で、助成金は、厚労省関連のものが多く、雇用拡大をサポートするものが比較的多く、新たに人材を雇用する場合や、雇用している人材のキャリアアップのためのものなどが多いです。
しかし、冒頭でご説明したとおり、明確な定義はありませんので、補助金という名前で雇用拡大関連のものもありますし、雇用拡大に関係なくとも助成金という名称がついているものもあります。
「補助金」と、「助成金」には、大きな違いはなく、国や自治体などが、事業にかかるお金の一部または全部をサポートしてくれる仕組みであると考えておけば良いでしょう。
2023年時点で、起業・創業時に使える補助金・助成金には、どのようなものがある?
補助金・助成金の種類は、大きくわけると、以下の3パターンがあります。
1.国などが実施しているもの
2.自治体などが実施しているもの
3.大手企業、政府系金融機関、各種の財団などが、独自で行っているもの
1.国などが実施しているもの
国などが実施している補助金・助成金の中には、経済産業省系のものと、厚生労働省系のものの大きくわけると2つの種類があります。
経済産業省関連代表的な補助金
・ものづくり補助金
・事業再構築補助金
・小規模事業者持続化補助金など
・IT導入補助金
・事業承継・引継ぎ補助金
厚生労働省関連の代表的な助成金
・キャリアアップ助成金等
・人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)
2.自治体などが実施しているもの
自治体などが実施しているものには都道府県レベルのものと、市区町村レベルのものがあります。
例えば、東京都においては、
・創業助成事業((公財)東京都中小企業振興公社)
・新規開業賃料補助(港区)https://www.city.minato.tokyo.jp/sangyousinkou/sinkikaigyouchinryouhozyo.html
などの事業が行われています。
また、さまざまな自治体が、各種補助・助成事業を行っております。
中小機構のウェブサイトでは、都道府県、市区町村別の創業者向け補助金・給付金のリンクページがありますので、こちらから、各種の補助金や助成金を確認されると良いでしょう。
中小機構ウェブサイト(創業者向け補助金・給付金(都道府県別))
https://j-net21.smrj.go.jp/support/covid-19/sogyo.html
3.大手企業、政府系金融機関、各種の財団などが、独自で行っているもの
こちらは、多様なものがあります。
最も有名なものの1つは、東京都が公益財団法東京都中小企業振興公社と共催している「創業助成事業」があります。
また、大手企業などが設立した財団が運営しているものもあります。
例えば、1992年7月に長谷工コーポレーションが設立した、一般財団法人ハウジングアンドコミュニティ財団は、地域づくり、まちづくりに関するNPOなどをサポートする助成事業を行っています。
従って、地域づくり、まちづくりに関するNPOなどを創業したい場合などは、活用できる可能性があります。
このように、大手企業が色々な財団を、作っているので、調べてみてもいいかもしれません。
【参考】
・公益財団法東京都中小企業振興公社
https://www.tokyo-kosha.or.jp/
・一般財団法人ハウジングアンドコミュニティ財団
http://www.hc-zaidan.or.jp/index.html
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東京都の起業・創業に使える具体的な補助金・助成金の例
まずは、東京都で起業・創業した場合に活用できる助成金をご紹介します。
東京都中小企業振興公社が実施している創業助成金は、都内で創業を予定されている方または創業後5年未満の中小企業者等のうち、一定の要件(TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援修了者、東京都制度融資(創業)利用者を満たす場合に使える助成金です。
創業助成金
・趣旨:創業をサポートするための助成。
・申請時期:例年、春と秋の年2回
・助成限度額300万円(助成率2/3)
・助成対象経費:賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費
・詳細 東京都産業労働局 東京都創業NET
https://www.tokyo-sogyo-net.metro.tokyo.lg.jp/finance/sogyo_josei.html
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業
・趣旨:都内商店街で女性又は若手男性(39歳以下)が新規開業をするに当たり、店舗の新装又は改装及び設備導入等に要する経費の一部を助成。
・詳細 財団法人東京都中小企業振興公社ウェブサイト
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/wakatejosei.html
起業・創業当初から人材を雇用する予定がある場合
・人材を活用するための厚労省系の各種助成金が活用できる可能性があります。
・詳細 厚生労働省ウェブサイト
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index.html
東京都港区の起業・創業に使える具体的な補助金・助成金の例
ビステーション新橋、赤坂がある東京都港区では、港区立産業振興センターが創業に関するセミナーや交流会、アドバイザー派遣など、各種の支援制度を用意しています。その中で、賃料を補助する助成金というものがあります。
創業支援 新規開業賃料補助金
月額賃料の1/3を補助(限度額は1か月あたり5万円/令和5年71月から12か月を限度)
(令和5年度は6月募集開始予定です。5月下旬に、募集要項が更新される予定)
https://minato-sansin.com/sinkikaigyo/
横浜市の起業・創業に使える具体的な補助金・助成金の例
ビステーション新横浜がある神奈川県新横浜では、令和3年に「横浜市創業促進助成金」という制度を実施していたようですが、2023年は特に実施しているものはありませんでした。その代わりに、創業に関するセミナーなどを実施しているようです。
横浜市の創業支援(創業セミナー等)
https://www.city.yokohama.lg.jp/business/keizai/sougyo/sogyoshien/sougyoshien2019.html
福岡市の起業・創業に使える具体的な補助金・助成金の例
ビステーション福岡天神がある福岡県福岡市では、いくつかの起業・創業に関する補助金や助成金があります。
令和5年度 福岡市新規創業促進補助金
・補助対象:国の特定創業支援等事業を活用して登録免許税半額軽減を受けた方に対し、残りの半額相当額を支援
・補助額:株式会社設立の場合:7.5万円 / 合同、合名、合資会社設立の場合:3万円
・詳細:福岡市ウェブサイト
https://www.city.fukuoka.lg.jp/keizai/r-support/business/tokutei-sougyou-sientoujigyou_05.html
令和5年度 福岡市研究開発型スタートアップ成長支援事業補助金
・目的:将来的に福岡市の経済をけん引する独自技術を持った研究開発型スタートアップ企業に対し、事業の推進に係る経費等を助成
・補助額:200万円(補助率10/10)~1000万円(補助率2/3)
・詳細:福岡市ウェブサイト
https://www.city.fukuoka.lg.jp/keizai/r-support/business/kenkyukaihatsu_hojokin_2023.html
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補助金・助成金を活用した資金調達の方法とは?
補助金や助成金は、返済不要のため、ぜひ活用したいものですが、基本的には後払いという性質があります。従って、起業直後のキャッシュフローが、補助金や助成金によって改善するということはありません。
しかし、補助金や助成金の申請に通過したことを、金融機関からの融資の担保にすることが可能となるケースがあります。
金融機関からの融資については、手持ち資金や担保の有無によって、調達できる金額が変わるケースがありますので、補助金や助成金を担保にすることができれば、調達額を大きくすることができます。
このあたりは、金融機関や地域(支店)によって判断が分かれるところですので、事前に確認しておくと良いでしょう。
起業・創業時「にも」使える活用しやすい補助金や助成金
ここまで、起業・創業時に使える補助金・助成金に限定してご紹介してきましたが、起業・創業時にも使え、一般の事業者も使える補助金・助成金をご紹介します。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更等に対応するために取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とする。
・補助上限:[通常枠]50万円
[賃金引上げ枠・卒業枠・後継者支援枠・創業枠]200万円
※インボイス特例対象事業者は、上記金額に50万円の上乗せ
・補助率:2/3(賃金引上げ枠のうち赤字事業者は3/4)
・対象経費:機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、設備処分費、委託・外注費
・詳細:小規模事業者持続化補助金ウェブサイト
https://r3.jizokukahojokin.info/
ものづくり補助金
中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援。
〈通常枠〉
・趣旨:革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援。
・補助金額:従業員数によって変動
5人以下 :100万円~750万円
6人~20人:100万円~1000万円
21人以上 :100万円~1250万円
・補助率:1/2~2/3
〈回復型賃上げ・雇用拡大枠〉
・趣旨:業況が厳しいながら賃上げ・雇用拡大に取り組む事業者が行う、革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援。
・補助金額:従業員数によって変動
5人以下 :100万円~750万円
6人~20人:100万円~1000万円
21人以上 :100万円~1250万円
・補助率:2/3
<デジタル枠>
・趣旨:DXに資する革新的な製品・サービス開発又はデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援。
・補助金額:従業員数によって変動
5人以下 :100万円~750万円
6人~20人:100万円~1000万円
21人以上 :100万円~1250万円
・補助率:2/3
<グリーン枠>
・趣旨:温室効果ガスの排出削減に資する取組に応じ、温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービス開発又は炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援。
・補助金額:従業員数及び類型によって変動 100万円~4000万円
<グローバル市場開拓枠>
・趣旨:海外事業の拡大・強化等を目的とした「製品・サービス開発」又は「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援(①海外直接投資類型、②海外市場開拓(JAPAN ブランド)類型、③インバウンド市場開拓類型、④海外事業者との共同事業類型のいずれかに合致するもの)
・補助金額:100万円~3000万円
・補助率:1/2~2/3
詳細 ものづくり補助金ウェブサイト
https://portal.monodukuri-hojo.jp/index.html
IT補助金
中小企業・小規模事業者が、ITツール導入に活用いただける補助金。通常枠、セキュリティ対策推進枠、デジタル化基盤導入類型、ハードウェア購入費などが対象。
<通常枠>
・補助額:5万~150万円未満または150万~450万円以下
・補助率:1/2以内
<セキュリティ対策推進枠>
・補助額:5万円~100万円
・補助率:1/2以内
<デジタル化基盤導入類型>
・補助額:~350万円
・補助率:3/4以内~2/3以内
<ハードウェア購入費>
・PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機
・補助率:1/2以内、補助上限額10万円
または
・レジ・券売機等
・補助率1/2以内、補助上限額20万円
詳細:IT補助金ウェブサイト
https://www.it-hojo.jp/
補助金や助成金以外の起業・創業時に活用できる資金調達方法とは?
起業・創業時に使える資金調達方法は、もちろん補助金・助成金だけではありません。
難易度別に考えてみると、例えば、以下のような方法で資金調達をすることができます。
難易度:低~中
・親族や知人などからの借り入れ
・政府系金融機関(日本政策金融公庫)からの借り入れ
・制度融資
・再就職手当
親族や知人などからの借り入れ
親族や知人からの借り入れに関しては、これまで、あなたが生きてきた中で築かれた信用・信頼を担保にお金を借りる(資金調達をする)方法です。利息が不要な場合などもあるでしょうし、比較的融通が利きやすい方法です。
しかし、借りたお金を返せなかった場合、相手との間でトラブルになってしまう可能性もありますので、リスクもあります。リスクについても、相互によく理解し、契約書などを交わしたうえで、実施すると良いでしょう。
政府系金融機関(日本政策金融公庫)からの借り入れ
公庫には、新創業融資という制度があり、こちらを活用して資金調達をするという方法です。
起業前でも申込みができ、金利も低い部類です。さらに、基本的に無担保、無保証でいいので、万が一、事業がうまく行かなかった場合も、リスクが少なくて済むなど、多くのメリットがあります。
詳細:日本政策金融公庫ウェブサイト
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html
制度融資+信用保証協会による保証
制度融資と信用保証協会による保証を活用すると、お金を借りやすくなります。
これは、公的な性質を持つ信用保証協会の保証をつけることで、金融機関が安心できるからです。
利息と別に保証料が必要になりますが、大きな金額にはならないことがほとんどです。また、金利の一部または全部補助(利子補給)、ある程度の据え置き期間が認められているケースがあるなど、メリットがあるケースが多いです。
参考:中小機構ウェブサイト
https://j-net21.smrj.go.jp/startup/manual/list4/4-3-2.html
再就職手当
意外と、ご存知ではない方が多いですが、再就職手当は、起業・創業時も使えます。
こちらは要件を満たしてさえいれば、受給できますので簡単です。ただし、期限などがありますので、よく注意する必要があると言えるでしょう。
参考:厚生労働省資料
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000970940.pdf
難易度:中
・クラウドファンディング
最近、少しづつ一般的になってきた資金調達方法です。プラットフォームへの情報掲載+個人のSNSによる拡散で、興味のある方から資金を調達する方法です。もちろん簡単ではないですが、チャレンジするという選択もよいでしょう。
難易度:中~高
・銀行からの融資
・信用金庫からの融資
銀行からの融資は、審査があり、簡単ではありません。信用や実績を求められます。しかし、いざというときに備え、現金を多くもっておくことは非常に有効です。コロナ禍がきたとき、やはり強かったのはキャッシュリッチである企業です。
起業・創業後すぐは、取引が難しい場合でも、関係性を作っていくという方法も検討しておくと良いでしょう。
起業・創業時の金融機関からの融資による資金調達は、「信用金庫」→「地方銀行」→「都市銀行」の順に難易度があがりますが、起業・創業時と考えた場合、無理に銀行や信用金庫から資金調達をせず、上述の政府系金融機関や制度融資+信用保証協会の活用を検討した方がよいでしょう。
難易度:高
・エンジェル投資家などからの出資
・VC(ベンチャーキャピタル)からの出資
・その他、各種出資の受け入れ
会社に出資して貰い、株主になる代わりに資金を投資してもらうという方法です。エンジェル投資家は、自分自身が成功した経営者などであることが多く、出資後は、経営に関する相談ができるケースなども少なくありません。
しかし、そもそも、そういった人と知り合う方法が少なく、そのようなビジネスのプロが出資したくなるような事業プランがあるか?という問題がありますので、ハードルは高いと言えるでしょう。
VC(ベンチャーキャピタル)は、将来、上場を目指すような起業家に対して出資をする投資のプロ集団です。実際に上場できた経営者に過去の話を聞くと、数百社のVCに出資の相談をして、なんとか出資を得たという話も少なくありません。
また、投資に関しては、どのような条件で投資をしてもらうのか?株式(経営権)は、どの程度渡すのか?といった投資契約上の問題もあるため、難易度は高いと言えるでしょう。
【税理士監修】起業・創業時に使える補助金や助成金による資金調達まとめ
起業・創業時に活用できる補助金や助成金の情報と資金調達の情報をまとめました。地域や、業種など、さまざまな領域で補助金や助成金があります。
省庁や、財団、などさまざまなところで、色々な種類の補助金・助成金がありますので、ぜひ調べてみてください。
もし、わからない場合は、士業などの専門家に確認しても良いでしょう。(人によって詳しい領域と、詳しくない領域があります。)
知っているか、知らないか?で、差がつくことも少なくありませんので、ぜひ、色々なことを調べたうえで、ご自身にあった方法をご活用いただければと思います。
長谷工コミュニティが運営する起業にも使えるシェアオフィスビステーション
この記事の監修者
若尾房市税理士事務所 代表 若尾房市
中小企業の成長促進剤@MBA税理士
税理士、MBA(経営学修士)、GCS認定コーチ
手探り経営に悩む中小企業社長に対して、 管理会計(未来を創造する戦略的会計)とコーチング(欲しい未来を手に入れる思考のサポート)を活用して、ときには視界を照らすヘッドライトとして、ときには視界をクリアにするワイパーとして、社長がその想い実現に向かって最高速度で突っ走るお手伝いをしています。
モットーは「お金が増えなければ節税ではない」
https://www.financial-office.jp/
この記事の執筆者
unite株式会社代表取締役 角田 行紀
起業支援、事業支援や、最適な士業の無償紹介、士業が講師を務める企業研修事業(主に法務・労務・税務・財務)、経営者や士業などが講師を務めるセミナー事業などを行うunite株式会社代表取締役。
多くの起業家からの相談や、士業による起業希望者へのアドバイス、自身の起業経験などを基に本稿を執筆。
https://www.unitenco.com/