【税理士監修】フリーランスの年収の平均とは?年収をあげていく具体的な方法は?
2023年08月30日
※こちらの記事は長谷工コミュニティが運営するビステーションのプロモーションを含みます。
フリーランスとして独立したいと考えた際、気になることのひとつに、「収入」の問題があります。フリーランスとして、独立した後、食べていけるのか?が気になる方は少なくありません。
そこで、この記事では、統計などのデータを基に、先輩フリーランサーが、どのくらいの年収があるのか?また、どのようにすれば、高収入を狙えるのか?についても、ご紹介していきたいと思います。
フリーランスの平均年収は?フルタイムで働くことを想定すると400万~600万円未満が最頻値
フリーランスとは、「実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者を指す。」※とされています。
自由度が高く、年収の増加を狙える一方、会社員と比べると、実力主義でリスクの高い働き方です。
※参考:フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン:内閣府ら
まずは、先輩フリーランスの方の実際の収入がどの程度なのかを確認してみましょう。
まずフリーランス全体の収入の最頻値は200万円~400万円です。
※参考:フリーランス白書2022
一方、この全体には、副業として働いているケース、家計において補助的な立場で働いているケースがあるため、フリーランス白書2020を参考に、140時間/月以上就業している人に限定すると、割合の大きな年収は、以下のとおりです。
400万円~600万円:22.7%
200万円~400万円:22.0%
600万円~800万円:15.4%
※参考:フリーランス白書2020
従って、本業としてフリーランスとして働いている方の収入としては、400万円~600万円であるといえるでしょう。
港区(新橋・赤坂)、新横浜、天神の長谷工が運営する副業・兼業にも活用できるシェアオフィス
フリーランスの平均年収を、サラリーマンとの平均年収と比較すると?
一方で、サラリーマンの年収は、平均給与461万円(男性567万円、女性280万円)です。
※参考:国税庁ウェブサイト
先ほどご紹介したフリーランスの収入の最頻値は、400万円~600万円ですので、フリーランスは、サラリーマンと同じくらいの金額、もしくはそれ以上の金額を、稼ぐことができていると言えるのではないでしょうか。
フリーランスの平均年収は、職種ごとに違う?どう年収をあげる?
フリーランスの職種には、さまざまなものがあります。
例えば
・エンジニア・プログラマー
・コンサルタント(IT・ウェブ、経営戦略、財務戦略、人事戦略)
・マーケター
・デザイナー
・動画編集・クリエイター
・編集者・ライター
などが代表的な職種です。
また、職種によって、単価が違うため、年収にも大きな影響があり、一般的には、上記でご紹介したもののうち、上に記載した職種が、比較的専門性が高く、単価や年収が比較的高い職種と言えます。
年収をあげていくために、新たに学び、職種を変える、またはできる職種を増やすというスキルを横軸に拡げていく方法もありますが、ある程度のキャリアを既に積んでいる場合は、より経営に近い上流の仕事までできるようになるという、スキルを縦軸に拡げる方法もありえます。
例えば、現在はウェブのライターとしての業務を行っていると仮定した場合、
・良い文章を書ける
↓
・検索ボリュームなど市場のニーズを定量的に分析し、集客ができる良い文章を書ける
↓
・サイトコンテンツや市場ニーズを踏まえ、他のライターへの指示・管理・編集ができる
↓
・商品などを販売する方法として、サイト全体の企画から、種々の広告手法と組み合わせ最適な方法で、SEO文脈の提案からできる
などようになっていくと、職種としては、ライター→ディレクター→ITコンサルタントとなっていき、より経営に近い上流の仕事ができるようになり、単価があがることによって、年収をあげていける可能性が高くなります。
この構造は、企業における役職と、ほぼ同じと考えて良いでしょう。より経営に近い上流の仕事の方が、専門性も高くなるため、その仕事を担える人材が少なく、取引先の売上などに〇%のインパクトを与えることができるといった定量的な提案もしやすいことから年収があがる蓋然性は高くなります。
フリーランスの年収は経験年数や取引社数で、どう変わる?
次に、経験年数(従事年数)との関係を確認してみましょう。
引用:フリーランス白書2020_フリーランス協会 P24より
上記の表を見てみると、やはり、経験年数と比例して、取引社数があがっていく傾向にあります。
引用:フリーランス白書2020_フリーランス協会 P30より
上記の表を見てみると、取引社数が増えることと比例して、収入があがっていく傾向が見られます。
従って、経験年数を積むことで、少しずつ取引先が増え、またこれに伴い収入があがっていくという傾向が見てとれます。
先輩フリーランスは、年収をあげるために、取引者数をどう増やしている?
先ほどのデータで、取引者数が多いと、これに比例して、フリーランスの収入はあがっていくということがわかりました。
では、先輩フリーランスは、どのようにして取引者数を増やしているのでしょうか?
コチラもデータで、確認してみましょう。
引用:フリーランス白書2020_フリーランス協会 P12より
こちらのデータから、取引者数を増やしている要因は、
多くの場合、
・人脈(知人の紹介を含む)
・過去・現在の取引先
であるということがわかります。
また、単価の良い仕事に関しても
多くの場合
・人脈(知人の紹介を含む)
・過去・現在の取引先
であるということがわかります。
従って、いかに自分の人脈を増やすことができるか?が収入(取引社数)を伸ばすことに直結していることがわかります。
データを踏まえた、フリーランスが年収をあげる具体的な方法とは?
これまでのデータからフリーランスが年収をあげるためには
・取引社数が重要
・取引社数は人脈からの紹介が多い
・過去・現在の取引先からの紹介も重要
ということがわかりました。
次に、ひとつずつの課題を分析して考えてみましょう。
まず、「人脈を増やす」ためにできることから考えてみると
・団体やコミュニティに所属する
・交流会に参加する
・現在の知人や友人に紹介を依頼する
・自分自身で交流会やコミュニティを企画開催する
・新しい人と出会いやすい場所に身を置く
といったことが考えられます。
例えば、自宅をオフィスにしたり、自分たちだけのためにオフィスを借りた場合、人脈的な広がりを作ることは難しいケースが多いですが、シェアオフィスやコワーキングスペースならば、自然と知人などが増えていく可能性があります。
長谷工のビステーションは、シェアオフィス・コワーキングスペースも充実。
また、交流会などで、ただ、一瞬、挨拶しただけだとお互いに印象が残りません。
そこで、「継続的に接点を持つ」ことが必要となります。
たとえば、具体的には、
・挨拶をした際に、相手の興味・関心を確認し情報提供する
・ランチなどに誘い接点を作る
・数人で会える会を企画する
といった方法が考えられます。
このような地道な活動をしていくことで、人脈を増やすことが可能になり、その人脈に対して、上手に提案をしていくことで、そのうちの数%が取引先になってくれる可能性が出てきます。
また、この点に関しても、シェアオフィスやコワーキングスペースを利用することは大きなアドバンテージになります。なぜならば、自分も相手も、同じスペースを利用しているため、接点が生まれやすいからです。
登記の場所や、作業場所のみならず、戦略的に、シェアオフィスやコワーキングスペースを利用するという方法も一考の価値があると言えるでしょう。
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次に「紹介」を生むためにできることを考えましょう。
紹介を生むためには、大きく分けて4つの方法が考えられます。
その方法が以下の4つです。
➀紹介の依頼をする
②相手に記憶してもらう工夫をする(サービス/人柄)
➂自分が、相手に紹介をする
➃(仕事を請け負った場合)相手の期待を超える成果を出す
➀紹介の依頼をする
紹介の依頼は、意外としていないことが多いのではないでしょうか?相手にとって負担になってしまうと考えてしまっているかもしれません。
一方で、紹介依頼先の人にとっても良い提案や負担のない提案の場合は、紹介の依頼もしやすくなると思います。どのような紹介依頼をするのか?ということは、一度、考えてみると良いでしょう。
②相手に記憶してもらう工夫をする(サービス/人柄)
次に、サービスやご自身を覚えてもらう工夫をするという方法について解説します。
いきなり例え話で恐縮ですが、例えば、美味しい飲食店があったら、友人や知人に、話したくなりませんか?
同様に、サービスや人物(あなた自身)を尖らせて、「すごい」と思ってもらい、話題にあげてもらったり、記憶してもらい、なにかがあった際に紹介をしてもらうという方法です。
➂自分が、相手に紹介をする
また、相手より先に、まずは、自分が、紹介を出すという方法も有効です。これは人間の返報性という心理学的な性質を利用する方法です。
アメリカを代表する心理学者ロバート・B・チャルディー二氏が書籍「影響力の武器」で紹介した法則によれば、人間には返報性という性質があり、人から親切にしてもらった場合、その親切を返したくなるという性質があるそうです。
だから、まずは与える。そして、期待せずに待つという方法です。
➃(仕事を請け負った場合)相手の期待を超える成果を出す
この方法は、オーソドックスですが、非常に強力で王道の方法です。また②の考え方に共通する点もあります。
フリーランスが「紹介」以外で、年収をあげる方法は?
紹介営業は、とてもパワフルで効果的です。しかし、全ての企業が紹介営業のみで経営をしているかと考えると、決してそんなことはないことから、「営業・マーケティング」が必要であるということがわかります。
業種や企業サイズによって、まちまちですが、多くの企業は、売上に対して1~10数%の広告費をかけています。さらに営業活動≒販管費ベースで考えれば、売上に対して20%前後の費用を投じています。
参考:東京都中小企業業種別経営動向調査報告書H30年調査、2022年日本の広告費(電通社)
一方で、フリーランスのうち、積極的に営業・広告をしているのは、わずか6%にとどまり、比較的営業活動を行っているフリーランスを含めても27.1%に留まっていることがわかります。
引用:フリーランス白書2020_フリーランス協会 P22より
効果的な広告・営業活動をすることで、フリーランスが年収をあげる余地があると言えるでしょう。
まとめ:フリーランスの年収の平均と、年収をあげていく具体的な方法
いかがでしたでしょうか?
一般的に年収が低いと言われているフリーランスですが、働き方によって、十分にサラリーマンと同等またはそれ以上の収入をあげることができる可能性があります。
フリーランスが年収をあげるためには、「人脈」が重要なファクターであるということ、その「人脈」を増やすために、「営業・販促」活動も含めた、さまざまな活動で人と会い、リレーションを作ることが大切であると言えます。
また、受注した案件で「相手の期待を上回る成果」をあげ、単価をあげるためには、横軸(他職種)にスキルを拡張する方法と、縦軸(上流)でスキルをあげていく方法の大きくわけて2パターンがありますので、この点は、ご自身の年齢やスキルの取得状況によって方法をご選択いただければと思います。
さらに、ときには「紹介の依頼」などを行いながら、相手先(取引先)または相手先(取引先)の利益になる提案を行っていくことで、更なる人脈やビジネスの拡大が狙えるものと思います。
ぜひ、チャレンジしてみてください。
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この記事の監修者
峯クラウド会計事務所 代表税理士 峯 英之
キャッシュフローコーチ・融資コンサルタント
会計事務所と税理士法人で8年間の実務経験。税理士法人では、中小企業の税務サポート、上場会社の連結納税支援、信用金庫の相続税相談員などを担当。 キャッシュフローコーチ・融資コンサルタントとして創業期の経営者の資金調達や、キャッシュフロー改善サポートなども行う。
税法の中では、特に法人税務に強く、代表的な例としては、税法に無いスキームを構築し実行し約21,000,000円の節税に成功したケースや、税務調査で約33,000,000円の納税額を減らしたケースなどがある。
個人事業主と一人会社のサポートに特化し、マイクロ法人設立や副業法人設立に力を入れている。
この記事の執筆者
unite株式会社代表取締役 角田 行紀
起業支援、事業支援や、最適な士業の無償紹介、士業が講師を務める企業研修事業(主に法務・労務・税務・財務)、経営者や士業などが講師を務めるセミナー事業などを行うunite株式会社代表取締役。
多くの起業家からの相談や、士業による起業希望者へのアドバイス、自身の起業経験などを基に本稿を執筆。